オレンジ色にして

僕がしょうゆラーメンを食べ終わっても、姉貴の特大どんぶりにはまだ、三分の一くらい残っていた。

さすがは特盛……そう簡単に倒せる相手じゃないらしい。

未だアツアツのラーメンを一回レンゲに移して、それをふー、ふーと吹いて冷ましてから口に入れる姉貴に、

「なあ、姉貴さ」

なんとはなしの感覚で、訊いた。

なひ? と、モゴモゴしながら返してくる姉貴。

僕は、片手に水の入ったグラスを持ち、ちびちびと喉に流しながら、わざとぼけーっと言う。

「いつから、だよ」

「?」

……最初、姉貴の顔には、なにが? と大きく書いてあった。

けれど、僕がちょっと目を向けると……察してくれた。