オレンジ色にして

おやっさんが、どうだ、と言わんばかりに胸を張る。

「秋乃ちゃんはウチの常連さまだかんな。これぐらいしなけりゃバチが当たるってもんよ」

「あ、ありがとうございます」

「な、なーにっ、いいってこった。ああもう気にするない!」

姉貴の素直な感謝に照れているのか、ふん、と鼻を鳴らしたおやっさんは、今度はあからさまにぶっきらぼうになった。

「で、注文どうすんだ、注文!」

僕が横に座った時、姉貴の顔と声は、珍しいくらい華やかにうきうきとしていた。

 、、、、
「いつもので」