オレンジ色にして

「どこに座る?」

訊ねると、姉貴が答えるよりも早く、

「おーう、ここだここだぁ。ここが秋乃ちゃんの特等席よーぅ!」

ばしんばしんとカウンターの一郭を叩きながら、おやっさんが吠えた。

姉貴がきょとんとし、なおさら僕はわけがわからないから、首を捻るしかない。

けれど、おやっさんが言ったところへ車椅子を押してみれば、すぐに納得させられた。

そこは、カウンター専用の丸椅子がひとつ撤去されて、ちょうど車椅子が収まるスペースが設けられていた。

(姉貴専用、か。なるほどね)