梅雨が舞い戻ってきたみたいな通夜と葬式は、一昨日までにすんだけど――

それから一日置いた今日、だからって、急に元気になれるもんじゃなかった。いや、なれるわけがなかった。

なにせ、今まで一緒に食卓を囲んでいた人が、

つまんないことで叱りに来ていた人が、

なにかにつけて心配性だった人が、

忽然といなくなっているんだ。

歯車が狂わないわけが、なかった。

特に、姉貴なんか車椅子を押してもらっていた分、母さんと一緒にいる時間は長かった。

僕よりも、妹の夏輝よりも。