オレンジ色にして

おやっさんは、入ってきた僕ら――のうち姉貴に目を止めると、ニカッと豪快に笑った。

「おぅっ、秋乃ちゃんじゃねえかい! ここんとこあんまし来なかったが、元気だったか?」

「ええ、おかげさまで」

クスッと小さく笑いながら、姉貴が小さく頭を下げる。

おやっさんは、ぶぅんぶぅんと手を横に振った。

「よせよせぇ、俺ぁなーんもしちゃいねぇだろが」

「いえ、でも、ほんとに……ラーメンいつも美味しいですし」

「ほっ、言ってくれるねぃ」

(なんだこれ、知り合い? 常連?)

そんな風に二人の会話から推測していると突然、おやっさんの視線が、僕を捉えた。