(どうして、だよ。どうしてそういう時だけ笑えるんだよ……)

いつもは、誰ともしれない相手に申し訳なさそうにしてるくせに――

いつもは、なにかになや見続けてるみたいにうつむいてるくせに――

いつもは、終わらない夜を迎えたみたいにさびしそうな顔をしてるくせに――

(どうして、自分を責める時だけ笑えるんだよ)

僕は、耐えきれなくなった。

「よせよ、そんなこと言うの。人に見られてヤだったら、いっそ睨み返してやるくらいしろよ。前向いて、姉貴は姉貴で胸張ってりゃいいだろ」