オレンジ色にして

サービス、という単語を聞いて僕は一瞬、頬がひきつるのを感じた。

(サービス……? 百円引きとか? もしかしてお代わり自由とか? ひょっとして三十分以内に食べ終われば無料とか?)

それは、決して悪い意味ではなくて、激しくも燃え上がった主夫根性が、できるだけ経費を安くしようとフル回転してのことだった。

だから、

「すんごいオススメだから、そこに行こうよ」

「よっしわかった、そこに行こう! すぐに行こう!」

ほとんど一瞬で僕が賛成したのは、まったくもって、どうしようもないことなのだった。