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ぐうう~……と鳴ったのは、僕じゃない、姉貴の腹の虫だった。

「ご、ごめんなさい」

僕はそんな彼女の口癖に、しょうもないと少し笑った。

「きょうだいで、んなもん気にすんなって。つか、もう昼だし」

診察に時間がかかってしまって、簿記らが病院を出た時にはもう昼過ぎだ。

腹が減るのも仕方がない。

「じゃあさ、繁華街のほう寄ってけばいーじゃん。たまには外で食べるってのもアリくない?」

「あ、ありくない?」

夏輝のミョウチクリンな言葉遣いに、姉貴が『?』を浮かべた。

夏輝は、

「なーにお姉ちゃん、どーかしたぁ?」

まったく、そんなのに気付いてはなかったみたいだけど。