ああいう人達は、いつも、僕が向けてしまったような眼差しを浴びて、それを感知できるようになっているんじゃないだろうか。

だとしたら――

(似たような立場の姉貴はこれから先、ああいう風に、なるのか……?)

なにかを悟りきったような目で、それなのにとても覚めきって、冷めきってしまっている表情を……

姉貴が――?

想像した途端、むちゃくちゃ腹が立った。

(そんな顔の姉貴は、もっと嫌いだ)

ふと、

「? ――冬弥?」

「あっ。ン?」

姉貴が、僕のほうを向いた。

「どうかしたの? なんだか、怖い顔してるけど」

「……」

そして僕は、自分が顔に出やすいタイプだということを、この時知った。