(くそったれ)

と、心の中で悪態を吐きつつ、角を曲がった時、

「おっと!?」「あら!」

「っ!?」「きゃっ!」

僕ら三人は、ちょうどこっちに曲がってきた、車椅子のおじいさんと軽く衝突してしまった。

上がった声は、おじいさんとその車椅子を押す看護士さん、それに僕らだ。

といっても、夏輝は少し離れたところを歩いてたし、ただぼけーっと、どしたの? みたいな顔をしていたけど。

「す、すすすみません……っ」

「いやいや、大丈夫だよ」

「でもほんとに、すみません、すみません」

と、姉貴が何度となく頭を下げた。