だけど、姉貴のほうは僕のように、弱くなかった。

「なにがあったの、今まで? 冬弥、私がなにをしたのか、教えて」

彼女はそう、昨日、商店街で目覚めてから、僕に言った。

とても、真摯な顔だった。

それでも、僕のほうがあの状況に慌てふためいて、躊躇して、なにがあったのかという事実を伝えるまで、時間をかけてしまった。

病院に来るのが一夜明けてしまったのも、僕のせいというわけだ。

僕が心配していたのは、母さんがいなくなって一番つらいはずの姉貴が、さらになにか重荷を背負わなくちゃいけないんじゃないかってことだ。

いや、今となっては、ことだった。