アンケートをデスクの上にポンと戻して、先生がまた僕らを順々に見やる。

「お母様の死去から来る、家長としての、長女としての責任感。それに、うまく歩くことのできない自分への劣等感――

その他もろもろ、人間なんだもの、あるでしょうね。それらが全部重なって、思い悩んでいたんじゃないですか?」

そのメガネの奥から押しの強い眼光が、違う? と姉貴に訊ねていた。

先生の視線に押されて、姉貴が車椅子の上でますます縮こまる。

膝の上でギュッと両手を握って、なにかを噛み締めるように、うつむいて。

また、僕の嫌いな顔だ。