中を開けて見せ、僕は文字通り、種明かしする。

「種だよ。コスモスの」

「……は?」

イミガワカラナイと視線でえてくる真乃に、僕は慌てた。

「あっ、いやっ、ほ、ほら!お前と初めて会った時、コスモスが咲いてたから記念にって思って」

「……」

「だからこれをどっか埋めてさ、育てればほら、自分だけの場所が出来るじゃん?お前が育てれば、お前がどんなことしてやったかがちゃんと返ってくる、し……」


僕の言葉は尻すぼみに消えた。真乃が、スッと種の入った紙袋を取ったからだ。

「ふーん……」

と、彼女はを止めて袋の中身を見つめる。

あんまりまじまじ見つめるから、つい恥ずかしくなったし、こんな贈り物しか出来ない自分が情けなくも思えてきた。

今日はイヴだけじゃなく、彼女の初めての誕生日でもあるんだ。

それなのに、花―――の種だけなんて、ちょっとあんまりだったろうか。

「あ、ご、」

めん、とついつい僕が口にする、

「いいじゃない、気に入った」

前に、真乃がニッコリした。