オレンジ色にして

「さあ」

と、答えるしかなく、答えて初めて、震えが少し収まっていることに気付いた。

はは、なんて現金なんだ、僕は。真乃が横に来ただけで、もうどこか、安心してる。

「簡単よ。言ったでしょ、ここが終点だって」

どうしてそこまで確信して言える?どうしてそれが僕にも当てはまる? と質問することは出来ず、僕はただ黙って、頷いて、納得もした。

ここが終点。その通りだ。そう感じたのだから、その通りだ。

真乃は、立ったまま言葉を。

「冬弥がなんでここにいるのか、知らないわ。ただ私が秋乃さんと代わった時、みんなが万全の状態でイヴを始めようとしてるところに、アナタがいなくて、代わりに広田さんがいた。アナタが突然走り出したってことだけ聞いてね」

「それだけでここだって解かったのか……ほとんど超能力だな」

彼女は、まあね、と小さく笑った。

「それで冬弥―――どうして逃げたの?」

「……」

自然な流れで問われても、すぐには、答えられなかった。

いいや、答えたくなかったと言ったほうが、正しい。