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走り疲れて辿り着いた先で気付いたのは、込み上げてきた熱さは、頬を濡らす涙と、喉の奥から肩を震わせながら出てくる、のものだったということだ。

僕は、情けないくらいに泣いていた。

川原で。

真乃が言った、終点で。

『四季の広場』の小川で。

しゃがみ込んで。

なんてさみしいんだろう。

暗くて、とてつもなくて寒くて、小石の感覚が痛い。でもそれが、いっそそんな優しくない感覚が、僕にはお似合いだった。

罪人が死んだら地獄に落ちると信じられているように、僕なんか、こんな冷たい場所がお似合いなんだ。

そう思っているのに、震えをこらえきれない背中は、なにかをずっと待っていた。誰かが手を差し伸べてくれるのを、包み込んでくれるのを、ずっと待っていた。

真乃がそうしてくれたように、

あるわけがない。来るわけがない。

大体、今回は僕が自分で逃げてきたのだし、だれが追っかけてきたわけでもない。僕の居場所を知る人はいない。だれも来ない。