突然玄関が開いて、ハッと振り返ってしまうほど、バタバタと足音が近づいてくる。そして、台所のドアが突然勢いよく開いて、ちょうどその時、僕と夏輝とデンさんは、ケーキをどうカットするかでもめていて、入ってきたのは、
「ちょっと、もーう。私抜きでケーキ分けるなんて、どういうなのよ」
肩で息をする真乃だった。
どういうわけか僕は直感し、彼女が逃げて来たんだと思った。だれって、広田に真っ赤な姉貴に代わって、ヤツのところから。
悔しさとは正反対の感情で胸が苦しくなるのを嬉しく思いながら、僕は彼女が、特別なを送ってくるのを見逃さない。
「さあさあ、冬弥は私のために作ってくれたんでしょ、そのケーキ。私が半分くらい食べてもいいのよね?」
そうさ、彼女はきっと、僕のために―――
「ちょっと、もーう。私抜きでケーキ分けるなんて、どういうなのよ」
肩で息をする真乃だった。
どういうわけか僕は直感し、彼女が逃げて来たんだと思った。だれって、広田に真っ赤な姉貴に代わって、ヤツのところから。
悔しさとは正反対の感情で胸が苦しくなるのを嬉しく思いながら、僕は彼女が、特別なを送ってくるのを見逃さない。
「さあさあ、冬弥は私のために作ってくれたんでしょ、そのケーキ。私が半分くらい食べてもいいのよね?」
そうさ、彼女はきっと、僕のために―――

