なんでも彼は、今日は昼間での勤務で、夕方から別の外科医が入るらしく、時間が空いているらしい。

イヴだから思い切ってだのなんだのと言ってヤツは、まんまと姉貴を誘い出したのだ。

(イヴだからなんなんだ!?恋人でもないのになんなんだ!?いったい何様のつもりなんだ!?)

叫び散らしてやりたい言葉がたくさんあり過ぎて頭の中が混雑している間に、姉貴は真っ赤な顔で(半分たじたじしながら)あっさりと申し出をOKした。

断れよ、こんチクショウ!

と、八つ当たりしそうになったのを、も噛み切るくらい奥歯に力を込めて抑え込めた。お見合いは蹴ったくせして、なんだって広田の誘いには乗るんだ、クソ。