「ところで、えっと、冬弥くん、でしたっけ?」
とりあえず、頷いておく。この際、太郎くんでしたか? って訊かれても頷いていただろう。
「冬弥くんはいつも秋乃さんのお世話をしているんですよね?」
(秋乃さん……。っ、馴れ馴れしいな、くそっ)
デンさんやおやっさんが、秋ちゃんとか秋乃ちゃんとか呼んでいるのを訊いてもなんともないのに、なんだかコイツの口から秋乃さんと訊くと、むしょうに腹がたつ。
榊原さんでいいだろ、榊原さんで満足しろよ、お前は。
俺なんか、そっちのほうは姉貴としか呼んだことないぞ。
むすっとした顔のまま、まあ、と頷いておいてやる。
だけど、次の質問は気に食わなかった。
「それじゃあ訊きたいんですが、秋乃さん、花はなにが好きですか?」
「……」
ソレハツマリ、ドウイウコトダヨ、オイ?
一瞬、ムカッとし過ぎて頭の回路がバグりそうになった。
いやいや、説明してもらわなくても解かる。つまり、そういうことだろう。
男が女のことを訊いて、今日がクリスマスイヴとくれば、ほかに考えなんてない。
とりあえず、頷いておく。この際、太郎くんでしたか? って訊かれても頷いていただろう。
「冬弥くんはいつも秋乃さんのお世話をしているんですよね?」
(秋乃さん……。っ、馴れ馴れしいな、くそっ)
デンさんやおやっさんが、秋ちゃんとか秋乃ちゃんとか呼んでいるのを訊いてもなんともないのに、なんだかコイツの口から秋乃さんと訊くと、むしょうに腹がたつ。
榊原さんでいいだろ、榊原さんで満足しろよ、お前は。
俺なんか、そっちのほうは姉貴としか呼んだことないぞ。
むすっとした顔のまま、まあ、と頷いておいてやる。
だけど、次の質問は気に食わなかった。
「それじゃあ訊きたいんですが、秋乃さん、花はなにが好きですか?」
「……」
ソレハツマリ、ドウイウコトダヨ、オイ?
一瞬、ムカッとし過ぎて頭の回路がバグりそうになった。
いやいや、説明してもらわなくても解かる。つまり、そういうことだろう。
男が女のことを訊いて、今日がクリスマスイヴとくれば、ほかに考えなんてない。

