病院の白い廊下を、すらっとした足で(ただ歩いているだけのはずなのに)颯爽とやってくるヤツは、いっそ仮面かと思うくらい爽やかな笑顔を貼りつけて、真乃の前に止まった。
「今日はどうしたんです?また仲代医師のところですか?」
「まあ、そうだけど」
と答えた真乃は、そしてそっけない態度で付け加えた。
「ごめん、私秋乃さんじゃないから。アナタ知らないわ」
当然かなり混乱を招いてしまって、いろいろと僕が(けっ、なんでわざわざ僕が)広田医師に説明した。
真乃のほうは(仲代先生に続いて)いろいろ質問されるのをめんどくさがってしまって―――あーあ、誕生日は終わりか、とぼやいてから―――仲代先生のところへいったん戻り、催眠術で姉貴と交代してくると言って、慣れない車椅子を操っていってしまった。
結局、僕はお昼休みだという広田医師と、一階正面ロビーのソファーで姉貴を待つ形になってしまったのだけど……なんだって僕が、広田と隣同士で座らなきゃいけないんだ。
姉貴にあんな真っ赤っかな顔をさせるコイツの横に、どうして僕が! けっ。胸くそ悪い。
「今日はどうしたんです?また仲代医師のところですか?」
「まあ、そうだけど」
と答えた真乃は、そしてそっけない態度で付け加えた。
「ごめん、私秋乃さんじゃないから。アナタ知らないわ」
当然かなり混乱を招いてしまって、いろいろと僕が(けっ、なんでわざわざ僕が)広田医師に説明した。
真乃のほうは(仲代先生に続いて)いろいろ質問されるのをめんどくさがってしまって―――あーあ、誕生日は終わりか、とぼやいてから―――仲代先生のところへいったん戻り、催眠術で姉貴と交代してくると言って、慣れない車椅子を操っていってしまった。
結局、僕はお昼休みだという広田医師と、一階正面ロビーのソファーで姉貴を待つ形になってしまったのだけど……なんだって僕が、広田と隣同士で座らなきゃいけないんだ。
姉貴にあんな真っ赤っかな顔をさせるコイツの横に、どうして僕が! けっ。胸くそ悪い。

