多重人格障害で現れた人格というのは、社会にするタイプとそうじゃない、現実のものがあるそうで、真乃は社会に適応する中でもかなり理解力のあるほうだと教えてくれた。

それから、だからこそ、安心して診療が続けられうということも。

姉貴と真乃の記憶のといったら、難解そうだし、えらく大袈裟に聞こえる。

だけど、素人目に見たことを簡単に整理するなら、

「この一週間で、何回くらい秋乃さんとは代わりましたか?秋乃さんと代わった時、アナタはなにをしました?」

と、仲代先生が真乃のしたことを聞き出し、紙に書き記して整理してから、

「秋乃さんはこのところ、二つほど新しいを器を作ったそうです」

とか、

「それから最近、少し立っていられる時間が伸びたそうよ。ものに掴まりながらですが、五分くらいは大丈夫だそうです」

姉貴の最近のことを、真乃に教え返す。こんなところだ。

ちなみに姉貴が立っていられる時間が伸びたのは、真乃がどこそこほっつき歩いているのがいいリハビリになっているらしい。