そんな顔で見られたら、気持ちが少し上向きにさせられても、なにも言えなくなるじゃないか。

だから、僕は、また周到に頭を働かせた。

「それじゃ、水切りでもしながら、話す。それでいいだろ?」

「おっ、いいわね。やろうやろう」

答えて、僕を引っ張り起こした彼女の顔は、またオレンジ色のコスモスで―――

それを見つめたいのに出来ない自分は、ああ―――

どれほど惚れ込んでしまったんだろう。

それから僕らはしばらく、みなもに向かって石を投げ続けた。