オレンジ色にして

(もう、やめてくれ)

と、心の中で悲鳴をあげた。

そんな風に、僕を見透かすような目で見るのは、やめてくれ。

痛感する。痛いくらい、胸がひしゃげるくらい、風穴が開くくらい――

いっそ、心臓なんかむしり取ってしまいたくなるくらい、痛感する。

いつのまにかいつのまにか、姉貴を想っている自分がいて、その自分が暴走しかけることを、

そして、そんな自分を解かっていて、必死に理性にしがみつこうとする自分もいることを、

痛感する。

彼女には指一本、僕は絶対に手出しできないと解かっているから―――

こんな想いは、彼女を困らせてしまうだけだと解かっているから―――

痛感する。

(僕は―――)

感情の激流がもう、どこまで吹き荒れているのか、どこまで込み上げているのか、どれほそ溢れ出そうなのか、解からない。自分のことなのに。

だけどなおさら、自分の内側のことだからこそ、見えないし、漠然過ぎて解からない。

(僕は、もう―――)

なんだか……突発的に、逃げてしまいたくなった。

今すぐに、この状況から―――