オレンジ色にして

この前からまったく改心できていないじゃないか、僕は。

「? どうかしたの?」

顔に出やすい僕は、そしてその直後、姉貴と仲代先生から怪訝な目を向けられてしまった。

「なっ―――」

向けられる、なにも知らない姉貴のまっすぐな視線に耐えられず、

「なんでもねえよ!」

僕はつい、大きな声を出して、立ち上がった。彼女の視界から逃げるように車椅子の背後へ回り、グリップを握る。

「もう終わったろ、かっ、帰るぞ!」

「えっ!? あっ、ちょ、冬弥!?」

慌てる姉貴を無視して、もう押し慣れた車椅子をくいっと反転させた僕は、

「それじゃあ先生、一週間ぐらいしたらまた来ます。それじゃ」

「あ、はい。どうも」

「冬弥!?」

強引になにもかもを打ち切って、診察室をあとにした。

「ちょっと……ちょっと待ってよ、冬弥!」

と、姉貴が車椅子の上で、おとなしく暴れる。

姉貴はいつも、どんなに暴れる時でも、上半身しか動かさない。普段は首だけで、強い時は腰から上を捻るだけで、こちらを向く。

「私今日、外科のほうにも行かなくちゃいけないの!足の検診で」

「……そ」