「そ、そんなっ、だって、私、車椅子ですし」
「またまた、そんな劣等感がいけないのよぅ、秋乃さん。車椅子だからなんなんですか、ほんとに」
と続いた会話の最中、姉貴の横顔がほんのりと赤く上気しているのが窺えた。なにを、考えてる?
姉貴は、なにを想像してる?なんだか前に、その横顔は見たことがあるような―――
(あ)
そしてそれが、
「……!」
さっき僕が予想した、ヤツを思い浮かべている顔だと解かった瞬間、
とんでもない感情のうねりが、
腹の底から、
胸の内から、
喉の奥から、
とてもじゃないけど止められそうにない勢いで、突きあがってきた。
それは、もう、隠しようも防ぎようもない、嫉妬でしかなかった。
それも、彼女の世話を焼く保護者として抱くような擁護からくるものじゃなく、
自分が相手を得たいと思う、相手を独占したいと想う、真っ黒な嫉妬。
(くっそ、俺の、バカッッッタレ――!)
「またまた、そんな劣等感がいけないのよぅ、秋乃さん。車椅子だからなんなんですか、ほんとに」
と続いた会話の最中、姉貴の横顔がほんのりと赤く上気しているのが窺えた。なにを、考えてる?
姉貴は、なにを想像してる?なんだか前に、その横顔は見たことがあるような―――
(あ)
そしてそれが、
「……!」
さっき僕が予想した、ヤツを思い浮かべている顔だと解かった瞬間、
とんでもない感情のうねりが、
腹の底から、
胸の内から、
喉の奥から、
とてもじゃないけど止められそうにない勢いで、突きあがってきた。
それは、もう、隠しようも防ぎようもない、嫉妬でしかなかった。
それも、彼女の世話を焼く保護者として抱くような擁護からくるものじゃなく、
自分が相手を得たいと思う、相手を独占したいと想う、真っ黒な嫉妬。
(くっそ、俺の、バカッッッタレ――!)

