オレンジ色にして

それに捕まった刹那、

(だれ、だよ?)

とさえ、思わせられた。

  、、、
僕の観察力が、なにかしらの警報を鳴らしてもいた。

けれど、

「は、はは……」

現実の僕は、途切れ途切れに、笑うことしかできなかった。

姉貴は、なにかヘンな冗談を言ったに決まっている。

でもそう考えた僕は、また、妙だなとも思った。

姉貴は、冗談なんか言うようなキャラじゃない。

いくら今、母さんとの思い出を話したことでしんみりした空気になってしまっていても……

だからって、冗談を言って和ませようなんてする性格じゃない。

むしろ、人が言った冗談に不器用に微笑むのが、姉貴だ。

そんな、いきなり、わけのわからないことを言うはずが――