実際、言っている僕自身、大して進路は決めちゃいないのだ。

えらそうなことは言えない。

大まかに就職ってことは考えても、家事ばかりしていた僕は満足な趣味を持てなかったし、小学生のようなお気楽さで、プロ野球選手になりたい、とか現実味のないことは考えられない。

ある意味じゃ、結構ひどい例かもしれない。

かといって、突出した能力もないし。大まかに決めているなんて、実際のところ、詳細がはっきりしてなければほとんど決まってないに等しい。

残念だけど、まだ僕は曖昧な状態なのだ。

真乃が現れてから、姉貴が多重人格になってしまってから、もう一ヶ月ぐらいが経過する。

だいぶ彼女がいる生活にも慣れてきたし、その出現に慌てることもなくなってきたから、いい加減、僕は僕のことを考えなければいけないのだけど……

イマイチ将来がまとまらないのは、僕も、現代で生まれ育った若僧だってことだ。