「お兄ちゃんが過労で倒れたら、いったい誰が朝ご飯、お昼ご飯、晩ご飯作るの!? 掃除! 洗濯! ゴミ出しは誰がやんの!? ヤだよ、倒れちゃ!?」
「夏輝お前、明日の味噌汁にネギ入れられたくなかったら、黙れ」
「うっわ横暴! それチョー横暴なんですけどぉー!?」
夏輝は、味噌汁には絶対ネギは入れたくない派だ。ふん、主夫は剣よりも強しという言葉を忘れたか。
それにしても――こういう時、頬を痙攣させずにいられる方法があるのなら、教えてもらいたいと思う。ポーカーフェイスはきっと、僕の一生のだ。
姉貴以外のことを考えていることを、誰かに毛ほども悟られないためにも、絶対。
「ぅふふ。二人とも、もうその辺にしたら?」
と、僕と夏輝の小さい小さいは、いつも姉貴の一言で幕を下ろす。
どうしてか解からないし知ろうとも思わないけど、姉貴はいつも、僕らの喧嘩を仲裁する時は、笑っている。
ひょっとしたら姉貴にとって僕達の喧嘩なんて、子犬が二匹じゃれ合っているように見えて、そうやって微笑んでいること自体が、僕らをやんわりと静めるタネだと解かっているのかもしれない。
「夏輝お前、明日の味噌汁にネギ入れられたくなかったら、黙れ」
「うっわ横暴! それチョー横暴なんですけどぉー!?」
夏輝は、味噌汁には絶対ネギは入れたくない派だ。ふん、主夫は剣よりも強しという言葉を忘れたか。
それにしても――こういう時、頬を痙攣させずにいられる方法があるのなら、教えてもらいたいと思う。ポーカーフェイスはきっと、僕の一生のだ。
姉貴以外のことを考えていることを、誰かに毛ほども悟られないためにも、絶対。
「ぅふふ。二人とも、もうその辺にしたら?」
と、僕と夏輝の小さい小さいは、いつも姉貴の一言で幕を下ろす。
どうしてか解からないし知ろうとも思わないけど、姉貴はいつも、僕らの喧嘩を仲裁する時は、笑っている。
ひょっとしたら姉貴にとって僕達の喧嘩なんて、子犬が二匹じゃれ合っているように見えて、そうやって微笑んでいること自体が、僕らをやんわりと静めるタネだと解かっているのかもしれない。

