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その日の夕食で、なにかが違うと感じた。
真乃の笑顔は姉貴の笑顔とは、なにか違うと。
姉貴は笑うといつも、ふわりとした面持ちになる。風に揺れてるコスモスみたいな、ふんわりした感じだ。
夏輝の場合はちょうど打ち上げ花火みたいだし、仲代先生は、強い笑みではあるけど優しいから、春の太陽みたいなものだと思う。
以前付き合っていた彼女の笑みは、まあ、夏輝と同類か。
でも、なにかが違うと思った。
姉貴と、真乃の笑顔は、なにかが違うと。
同じ顔なのに、同じ人物なのに、でも、やっぱり違う。
「あっ、今日のお魚、美味しい」
頬を綻ばせて言う姉貴は笑っている。
笑っているのだけど、それはやっぱり、風に揺れるコスモスでしかない。
「んー、まあ、お兄ちゃんが作ったわけだし? トーゼンくない?つか、それ以外にお兄ちゃんの取り得なんて、なくなくない?」
「悪かったな、取り得のない主夫で」
家事については全般的に、『自分じゃできない』→『できる人がやればいい』→『だからよろしく』といった頭の構造をしている夏輝に、姉貴はまた笑う。
その日の夕食で、なにかが違うと感じた。
真乃の笑顔は姉貴の笑顔とは、なにか違うと。
姉貴は笑うといつも、ふわりとした面持ちになる。風に揺れてるコスモスみたいな、ふんわりした感じだ。
夏輝の場合はちょうど打ち上げ花火みたいだし、仲代先生は、強い笑みではあるけど優しいから、春の太陽みたいなものだと思う。
以前付き合っていた彼女の笑みは、まあ、夏輝と同類か。
でも、なにかが違うと思った。
姉貴と、真乃の笑顔は、なにかが違うと。
同じ顔なのに、同じ人物なのに、でも、やっぱり違う。
「あっ、今日のお魚、美味しい」
頬を綻ばせて言う姉貴は笑っている。
笑っているのだけど、それはやっぱり、風に揺れるコスモスでしかない。
「んー、まあ、お兄ちゃんが作ったわけだし? トーゼンくない?つか、それ以外にお兄ちゃんの取り得なんて、なくなくない?」
「悪かったな、取り得のない主夫で」
家事については全般的に、『自分じゃできない』→『できる人がやればいい』→『だからよろしく』といった頭の構造をしている夏輝に、姉貴はまた笑う。