仕方なく、溜め息混じりにそっと、姉貴を花壇の中へ座らせる。

すると彼女はまるで、なにかにすり寄るようにそのまま地面に横たわった。

コスモスを一輪も押し倒さないよう、本当にゆっくり。

周囲の目もあるのだから、

「な、」

にやってるんだよ!? と僕が焦るよりも前に、

「母さんとね」

姉貴が、絶妙のタイミングで言い、また、制するでもなく制した。

かちり、と動きを止めさせられるのが、わかる。

彼女は、なにかに訴えるように、もしかしたらなにか見えないものと会話しているように、うつ伏せのまま、静かに言う。