正直僕には、仲代先生が真乃と話したことが正解だったのか、そして結果招かれた現状が成功と言えるかどうか、わからない。
よかったことといえば、真乃が姉貴のことを、とりあえずは理解したということ。
ただ、一緒に暮らしている家族のひとりとして、弟として、僕の今の気持ちを尊重するなら――
―
――
―――
――――
―――――
「秋乃さんだって不安なのよ。アナタがこうして私と喋っている間は自分の記憶が飛んでいるし、アナタと直接話したこともないから、どんな人なのかもわからない」
「わ、私だって秋乃なんて知らないわよ」
「ええ、アナタは秋乃さんを知らない。秋乃さんだってアナタを知らない。――でも冬弥くんは、アナタも、秋乃さんも知ってるのよ」
―――――
――――
―――
――
―
――できるならもう少し、ゆっくりやってほしかった。
姉貴が陶芸をする時のように、じっくり時間をかけていれば、結果はもっと穏便だったんじゃないか。
そんな気がする。
よかったことといえば、真乃が姉貴のことを、とりあえずは理解したということ。
ただ、一緒に暮らしている家族のひとりとして、弟として、僕の今の気持ちを尊重するなら――
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「秋乃さんだって不安なのよ。アナタがこうして私と喋っている間は自分の記憶が飛んでいるし、アナタと直接話したこともないから、どんな人なのかもわからない」
「わ、私だって秋乃なんて知らないわよ」
「ええ、アナタは秋乃さんを知らない。秋乃さんだってアナタを知らない。――でも冬弥くんは、アナタも、秋乃さんも知ってるのよ」
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――できるならもう少し、ゆっくりやってほしかった。
姉貴が陶芸をする時のように、じっくり時間をかけていれば、結果はもっと穏便だったんじゃないか。
そんな気がする。

