オレンジ色にして

それで結果、真乃は自殺志願の気こそあれど、現実を理解できるだけの人格だということらしい。

でも、だからって、あまりに突発的過ぎるんじゃないかと、僕は思った。




――
―――
――――
―――――



「あ、アナタ、なにを……私は自分の記憶だってあるし、」

「でしたね。アナタの最も古い記憶は、事故に遭ったものよね? 秋乃さんは小さい頃、事故に遭っています。アナタの記憶もそれでしょう」

「なっ、ばっ、バカ言わないでよ!」



―――――
――――
―――
――




いったいほかのケースがどんな風に対処されているのかはわからないけれど、仲代先生は押しが強かった。

強くて、強くて、押しきろうとした。




――
―――
――――
―――――



「バカは言っていません。アナタはたしかにここにいますし、アナタ自身でもあります。それと同じように、認識してもらえないかしら?」

「にっ、認識ったって……わ、私は私なのよ!?」

「でも秋乃さんは、アナタの存在をもう、理解していますよ」

―――――
――――
―――
――