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ひゅっ、と鋭く投げられた石は低空で飛んで、パパパパパ! と連続で水を切り、波紋を広げて、沈んだ。

「なによ!」

と、彼女は叫び、またひとつ、意思を放る。

今度はパン! と一回目で高く跳ねて、石は静かに早くも沈んだ。

「なんなのよ、あの女!」

「……」

『四季の広場』に流れている小川、感情のままに激昂する彼の横、僕は車椅子を携えていた。

こんな大荷物を持って歩くわけにはいかないけど、真乃は車椅子に乗らない。

だから、無人のこれを僕が押すしかないわけだ。

「ほんと、ちょっと、やな、感じだわ! 嫌いな性格じゃないけど、でも! だけど! 正しいこと言われてるのが、なおさら腹立つわ!!」

この小川は公園にあとから作られたものじゃなくて……

どうやら最初から『四季の広場』自体が避暑地として考案されたらしく、公園のほうが小川を飲み込む形で建設されたらしい。