(安売りのスーパーとかタイムサービスとか、ちゃっかりチェックしてる俺……やっぱ完璧におばちゃんだよな)

なんて、自嘲しているところに、

「冬弥。ね、とーや」

「ん?」

「あの、ありがとう、ね」

「……」
    、、、、、
姉貴が、無理をして微笑んでいた。

もともと、ニコニコと笑顔を振り撒くタイプじゃないから、無理をして笑った顔は、むしろとても、悲しげに見える。

今の笑みは、それだった。

それに姉貴はいつも、よくよく考えてから行動する。

今僕に『ありがとう』って言うまでの間が長かった分、とても重大な意味が込められているように思えてしまって、気恥ずかしさが、先に昇ってきた。

「まあほら、キョーダイなんだし、気にすんなよ」

だから、返した言葉はいたずらに、そっけなくなってしまった。