オレンジ色にして

とはいっても――外科に通うのは歩けない姉貴なのだから、先に真乃をどうにかしないといけな――

「なっ!?」

振り返った僕は、そこで度肝を引っこ抜かれた。

性分なのか、さっきまでふんぞり返るくらいえらそうに腕組をしながら立っていた真乃が、

なぜかべったりと床に這いつくばっていた。

どういうことなのか、わけがわからない。

真乃は歩けるはずだし……

(――真乃は、歩ける……)

そこまで考えて、僕はハッとした。

真乃は歩ける。なら、歩けないのは……?

「あ、姉貴……」

そっと近づきながら、まだ真乃だったらどうしようかっ半分怯えていた僕の声は、

「と、……冬弥」

、、、
姉貴に、届いた。