僕も、姉貴も、妹も、今はデリケートになっているんだ。

言葉は、じっくりゆっくり、選ばないといけない。

こんな風に他人に気を遣っていて余裕そうに見える僕だって、母さんの死が悲しくないわけじゃない。

ただ、母さんは姉貴の代わりに、僕に家事を教えていた。

そのおかげかせいで、性格が少しおばちゃん臭くなってしまっただけだ。

感情を制御できるようになったと言えば、まだ高三の僕だ、聞こえはいいだろう。

でも実際のところ、それは勘違いで、実はただただ図太くなっただけかもしれない。