病院に着いて、タクシーを降りて、真乃が言った。

「で、どこに行けばいいの?」

「まずはその、精神科に……」

「セーシンカ?」

ピクリと眉を吊り上げ彼女が、あからさまに疑いの眼差しを向けてきた。

「なに、私ってそんなヤバいの? ガン以外にも……そっち系だったりするわけ?」

「そ、そうじゃなくてさ!」

僕は慌てて、苦笑いを浮かべ、小さく首を横に振った。

「ちょ、ちょっと疲れが溜まってるんじゃないかと思ってさ。だからほら、……が、ガンがどうのとか言ってたろ? と、とりあえず精神科にも……」

なにを言っているんだろう、わけがわからない、支離滅裂もいいところだと、言葉は尻すぼみになってしまう。

そしてやっぱり彼女は、

「うーん……まあ、うーん……?」

とぼやき、納得なんてできていないようだった。