オレンジ色にして

「とりあえずお前は先に学校行け。俺が真乃を病院に連れていっとくから」

「えっ、あたしだけガッコ?」

「行っとけって。二人いたってどうしょうもないだろ。それにお前、なんか考えあるのか?」

実のところ僕だってなんの考えもないから、これは卑怯な言い方だとわかっていた。

けれど、負担は出来るだけ軽くしておかないといけない。

振り回されて泣きを見るなんてこと、今はやっていられないし、許される状況でもない。

「う、ん……わかった」

渋々とうなずいた夏輝は、じゃあお先に、と僕に手を振り……

数秒間を空けてから、真乃にも手を振った。