オレンジ色にして

夏輝が、初めて対面したもうひとりの姉貴に目を白黒させながら、そっと耳打ちしてくる。

「ほんとーにお姉ちゃんじゃなあわけ? マジで? つかマジで?」

「本当なんだから仕方ないだろ」

と、僕も出来るだけ口を動かさないように答えた。

テーブルを挟んだ対面で、真乃は朝食を取っている。

僕の作った味噌汁にご飯、それから焼き直した目玉焼きだ。

端にはリンゴジュースも据えてある。

夏輝の発言で、なにがどうなっているのか少し混乱した様子の彼女を、

僕は強引に椅子へ座らせ、早く食べないとメシが冷えるということだけをひたすら、ただひたすら強調して、現状を維持していた。

そのついでに、彼女から少し、『真乃自身』のことも聞いたんだ。