オレンジ色にして

とりあえずは、危難を逃れたらしい。

ほんの少しだけ、こないだ思った、神様なんてきっと不細工なやつなんだという考えを、改めてやろうかと思った――ところへ、

「うー、おはよー、お姉ちゃんお兄ちゃん~」

「!!」

夏輝が、起きてきた。

(なっ! ――い、今何時だよ!?)

時計の短針はまだ、六時の範疇だ。

ナゼ、コノジカンニ、オキテクル?

「あー、珍しく早く起きたよぉ。……んー、早起きは三文の――」

僕の硬直も他人事に、そして彼女は……

いや……

「あったあった、私のリンゴジュース」

彼女達は、顔を合わせてしまった。

ひたいに手をやっても、穴を掘って隠れられても、これは夢だ夢だと思いながら頬をつねっても、もう、どうにもならない。

そして夏輝の口から、最悪の一言が放たれた。

「お姉ちゃん、……なんでフツーに立ってんの?」

「へ?」

最悪だ。

「お姉ちゃん……って、私……? え?」