~冬馬Side~

波野が走り去って数秒、俺は呆気にとられていた。


その数秒後にはふつふつと怒りが湧いてくる。


「言ってくれるじゃねーか」


この俺が邪魔者扱いされて黙ってられるか。


「確かアイツの友達って、モデルだったはず……」


俺はポケットからケータイを取り出して、ある番号にかける。


「……もしもし、冬馬です。実はお願いがありまして……」


俺は早速本題に入った。






「はい。はい。本当ですか、ありがとうございます。では、よろしくお願いします」


ピッ、と電話を切る。


ケータイをポケットにしまって、俺は歩き出した。