~冬馬Side~


「ブサイク好きなんですか?」


「……は?」


波野の衝撃的な発言に俺は耳を疑った。


さっきから波野の発言が少しずれているような気はしていたが、さすがにこれは予想外だ。


「だって、フリなら別にあたしじゃなくても……。それにあたし、かわいくないもん……」


しょんぼりと自信なさげに肩を落とす波野。


おい、なに勝手に人のことブサイク好き扱いしてんだ。


つか、マジで自分の容姿に無自覚かよ。


「そんなことない。波野さんは可愛いよ。それと、僕はブサイク好きじゃないからね?」


「え、違うんですか?」


違うに決まってんだろ。


俺がこくりとうなずくと、波野は目を丸くして驚いた。


そこまで驚かないでほしい。