腹黒王子は誘惑中

それだけ言って口を閉ざす波野。


そんな波野の反応を見た後、俺は波野に雑誌を返し、海斗のところへ行く。


女子達はきゃあきゃあと、騒いでいた。

そりゃそうだろう。


俺に嫌そうな表情を向けるヤツなんてそういないのだから。



「さっすが冬馬。先生に頼んでムリヤリ予定つくるなんて」


「聞いてたのか。そんなわけだから、今日はジャマすんなよ」


「え~、つまんな~い」


ぶーぶー文句を言う海斗。


「うるせーな。女子とカラオケでも行ってこい。昨日の埋め合わせで」


「え~」


この会話はもちろん小声だ。


優等生を演じる俺にとって、誰にも聞かれちゃいけない会話だからだ。


俺は、どんな方法で波野をオトすか考えていた。