「楽々は?今、気になる人とかいないの?」
気になる人……?
一瞬頭の中に浮かんだのは、あの男の人………
な、何で…?
ないない!!ありえない!
「いないよ、そんな人!」
「どうしたの?
そんなにむきにならなくてもw」
綾香は笑っていた。
気にはならなかったみたい。
よかった………
でも、いい加減、あの男のことは忘れなきゃ……もう、噛み痕も消えかかってるのに………
そういえば……さっきの声って……あの男の声に似てたような………
って、気のせいか……
「綾香、そろそろ帰る?」
話をしていたらもう、すでに、17時を回っていた。
「あっほんとだ。帰らなきゃ……」