「んぅ?」

先に起きたのは理玖。

不必要だからといって、スマホを持っていなくとも
電話に出ることくらいはできる。


piropiーーー


「あ、やっと出たな!!何回かけたと思ってんだよー。それで?今どこ。」

今は昼休み。
サボりの聡を起こし、昼食を共にしようという電話。
いつものことである。


「…。」

眠いのと電話をよく理解していないのとで
返事をしない理玖。

「おーい、起きてる??聡??」

相手がまさか理玖だとは思っていない輝。


ーーーガチャ

そこに現れた救世主。
兄の羽玖だ。

「お前ら、昼飯どうs…おい、それ聡のだろ。
聡!起きろ!電話!」

「んんー、……え、電話?!」

飛び起きて、スマホを受け取る聡。

「も、もしもし?!」
「お、聡の声。なー、お前マジでどこにいんの?つか誰といんの?」
「えっと、うーん。」


非常にまずい。
生徒会室にいるなんて言えないし、
焔先輩や中宮先輩、理玖先輩といるなんてバレたら、
この学校ではやっていけない。


「まぁいいや!いつものお前のサボり場で瑞樹と先に食ってるから、早く来いよ!」

ーーーブツッ


"うん"と返事をする間もなく切られた電話。

…こないだ瑞樹が遅れた時は待ってたのに俺の時は待ってくれないのか…


なんて女々しいことを考えてしまう。