side 焔 千歳


「うわああああああ◇■▽★◎?!?!」

鳴り響く聡の声。
まぁ、何があったかは大方予想がつくけど。

目の前には、気だるそうに僕の作ったジン・トニックを飲む羽玖。
そんな様もこいつなら絵になる。


「生徒会室、防音にしておいて良かったね。」

防音にした本来の目的は別だけど。

「あぁ。」

「理玖は天然の男悩殺マシーンだからね。」

聡、鼻血出してないかな。
出してたら写真撮っておきたいんだけど。

「その言い方やめろ。」

少し機嫌が悪くなる羽玖。

「えぇ?僕も理玖も気に入ってるのに?」

まぁ、理玖のほうは言葉の意味分かってないんだけど。


ーーーゴクッ

僕のテキーラはアネホ。
アネホはストレートが美味しい。
シルバーを何かで割るのも美味しいが僕は断然アネホストレート派。


さっき、羽玖にアル中の話をしたが
むしろ気を付けるべきなのは僕のほうかもしれないな。

何だかんだ毎日何かしらアルコール類を飲むような生活をしていたら、アルコールがないと眠れなくなった。


「テキーラはシルバーの方が上手い。」

ボソッと独り言のように呟いた羽玖。

「…ふぅん、羽玖もまだまだだねぇ。」

「うるせ。」

こういう生意気な奴を自分の下に置くのは
とても面白い。
羽玖は下だなんて自覚もないだろうけど。


羽玖か酒、どちらが好きかと聞かれれば


「僕は酔った羽玖がいいなぁ。」



side end