「俺は羽玖がアルコール中毒にならないか心配だよ。…はい、ジン・トニック。」
「ライム。」
「はいはい、俺はテキーラにしようかな。」
ここって生徒会室ですよね。
俺らって高校生ですよね。
お酒って言ってもビールとかじゃないんですね。
「理玖、連れてくる。」
「そだねー。」
そう言って生徒会室を出ていった中宮先輩。
「え、あの、焔先輩、理玖さんって…?」
「あぁ、中宮 理玖[ナカミヤ リク]。羽玖の双子の弟。」
「へぇ。」
そう説明しながら、紅茶とお酒をテーブルに並べる焔先輩。
弟さんがいるのは知ってたけど、
名前も知らないし会ったこともない。
―――バタン!!!!
「おいっ、理玖!!」
「えっ?!!…ぐへっ!!」
「π=?e=?」
「ゲホッ、ゲホッ!」
「π = 3.14159 26535 89793 23846 26433…。e=2.71828182845904523536028747135…。」
「え?え?」
「じゃあ、2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97は?その次は?0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765は?その次は?」
いきなり入ってきた白髪に濃い瑠璃色の瞳の男の子に押し倒された上にすごい勢いで数字の羅列を言われる俺。
意味が分からない。そして背中痛いっ!!

