「お前らイチャついてんじゃねーよ。」
「いでっ、雑誌で頭叩かないで下さい!」

馬鹿になったらどーしてくれんだ!


1人、ソファで寝転がっていた中宮先輩が座り直した。

「もー、先輩何見てたんですか?」

手元のページを覗いてみると
ピアスの、特集記事だった。


「本当好きですね。」
「まぁな、お前も開ければ?」
「えー、嫌ですよー!絶対痛いし!」
「んなことねーよ。」
「本当にぃ?」


地べたに座っている俺は
ちょうどいい高さにあった先輩の膝に
顎を乗せた。

先輩が、ページを捲ると
次は指輪特集。


「あ、これかっこよくないですか。」
「ん?…お前こんなの好きだったか?」
「あー、最近落ち着いてきてて
シンプルなのがいいんですよー。」
「ふぅん?そう言えばつるんでる奴も
変わったよな。」
「輝と瑞樹?」
「名前までは知らねーけど。」


輝たちと仲良くなったのは
割と最近。

今年初めて同じクラスになって
3ヶ月前くらいの席替えで
俺の前が輝、その輝の横が瑞樹だった。

まぁ、その前から輝たちは
(腐的な意味で)目の保養だったから
目付けてたけど。