空のこぼれた先に



サユを見殺しにしたクレアを守るなんて。

……俺には、酷過ぎる。


それに、フレイのもとに無事彼女を送り届けるまでだと、俺は割り切れたとしても。


サユは、どう思うだろうか。

自分の仇であるクレアを守ることを、果たして許してくれるだろうか。



────ぐるぐると、思考が堂々巡りに陥ってしまう。

一度冴えてしまった頭では、簡単に眠りに落ちることはできなかった。

ソファに横たわりながらずっと天井だけを見上げていれば、だんだんと視界が明るくなってきて。

ハッとして窓のほうに視線を向ければ、いつのまにか夜が明け始めている。

時間を確認すると、まだ起きるには早すぎる時間ではあったけれど。

再び眠ることは無理と諦めて、俺はソファから身体を起こした。


一度まとまった睡眠を取ることができたからか、寝不足という感覚はあまりない。

なんとなしにクレアの眠るベッドに視線を向けると、クレアの身体にかかっていたはずの布団が半分床に落ちていた。