好きになってもいいですか?

「すいません、どいてもらえますか?」

後から聞き覚えのある声が聞こえた。

「す!すいません!」

反射的に声が出た。

振り返ると、やっぱり…。

礼雄くんだった。

「なんか用事でもあるんですか?」

不機嫌そうな顔で尋ねてくる礼雄くんは
たくさんのスクイズボトルを抱えていた。

「何もないけど、重そうだし
それ、ちょっと持とっか?」

「いいです。」

礼雄くんはさらっとそういって体育館に戻っていってしまった。

やっぱ冷たい子だなぁ。

そうだ、私は笑真を探しにきたんだ!

もう一度体育館に顔を出してバレー部を
みた。

笑真は星来ちゃんと日和ちゃんと
一緒にパスの練習をしていた。

私に気付いた笑真は口パクで

「一緒に帰ろう。」

と、いったので私はこくりと頷いた。