涙を拭いてキスした。



強く抱きしめたら折れてしまいそうな身体を包み込む。



「安心する…。」

「俺もだよ。莉子を抱きしめると…なんか安心する。」

「あのね、あたし格闘技に全く興味ないの…。」

「マジで!?」

「うん。だから何も知識ないしきっとこれからも興味ナイ…。」

「ヘコむ…。」

「でも秀吉には興味あるよ?秀吉って人間が好き。」



それでイイ。



それで満足だ。



「Noaに似てるから好きなんじゃないよね?」

「似てないよ。莉子は莉子。乃彩は格闘技ファンだったしね。」

「じゃああたしも好きになる!!」

「はははっ!!気にしないで。俺は莉子って人間が好きだから。」

「Noaに負けないよ!!」

「ん。もっかいキスしてイイ?」

「イイよ。」



俺もタツキに負けない。



莉子を幸せにするのは俺だから。



もう大事な物を手放したりしない。



「乃彩、それ取って。」

「今なんて言った!?」

「はっ!?あっ!!莉子!!ごめん!!莉子!!」

「秀吉なんて大キライ!!」



バカな俺…。